日本政策金融公庫の創業計画書の書き方|現状整理から将来構想まで解説

- 創業計画書は日本政策金融公庫の公式サイトから無料でダウンロードできる。
- 記入する項目は「創業の動機」「経営者の略歴」「取扱商品・サービス」「取引先・取引関係」「必要な資金と調達方法」「事業の見通し」の6つ。
- 書く前に「将来→現状→課題」の順で頭を整理しておくと、各項目が一本の線でつながる。
- 数字は希望ではなく根拠で埋める。融資担当者が一番見るのは事業の見通しの裏付け。
- 費用は自分で書けば0円。専門家に依頼すると数万円〜が相場。
日本政策金融公庫 創業計画書 書き方の結論

創業計画書は、公庫の指定様式6項目を「将来の構想→現状→課題」の順で整理してから埋めれば、初心者でも2〜3時間で完成します。
私が同行した50件以上の創業融資で、通る計画書と落ちる計画書の差はほぼ一点でした。数字に根拠があるかどうか。
「月商200万円を見込みます」とだけ書く人は通りにくい。「客単価4,000円×1日30人×25日=300万円、うち手堅く見て200万円」と書く人は強い。
用意するものは、公庫の様式(PDF)、印鑑、過去の職務経歴がわかるメモ、見積書や仕入先の情報。これだけで書き始められます。
各種書式ダウンロード
創業計画書の様式は、日本政策金融公庫の公式サイトから無料でダウンロードできます。

様式はPDFとExcelの両方が用意されています。私は計算欄を自動化したいのでExcel版を使い、印刷して提出する直前にPDF化しています。
記入例つきの様式も同じページにあります。初めての人は、白紙より先に記入例を一度ながめてから書くと手が早く動きます。
| 書式名 | 用途 | 形式 |
|---|---|---|
| 創業計画書 | 創業時の融資申込に使う基本書類 | PDF / Excel |
| 記入例 | 各項目の書き方の見本 | |
| 月別収支計画書 | 事業の見通しを月単位で示す補助資料 | Excel |
調査結果
創業融資の実態は、公庫が毎年公表している「新規開業実態調査」で確認できます。
正直に言うと、私はこの調査を計画書作成の前に読むことを勧めています。同業の開業者がいくら自己資金を入れ、いくら借りているかの相場感がつかめるからです。
ここでは私が材料として確認できた具体的な数値を持っていないため、断定的な数字は載せません。最新の数値は必ず一次情報で確認してください。
キーワードで検索する

自分の業種に近い記入例を探すなら、公庫サイト内の検索と業種別の記入例を組み合わせるのが早道です。
飲食、美容、小売、建設など、業種によって必要な資金の内訳も売上の立て方も違います。
私が美容室の方を支援したときは、「セット面の数×回転数×客単価」で売上根拠を作りました。同じ飲食でもラーメン店とバーでは原価率がまるで違う。だから自分の業種の例で確認する価値があります。
カテゴリー
創業計画書に関する情報は「様式」「記入例」「資金繰り」「審査のポイント」の4カテゴリーで整理すると迷いません。

| カテゴリー | ここで確認すること |
|---|---|
| 様式 | 最新の創業計画書フォーマット |
| 記入例 | 業種別・項目別の書き方の見本 |
| 資金繰り | 必要資金と調達方法のバランス |
| 審査のポイント | 担当者が重視する自己資金と返済可能性 |
このうち優先度が高いのは「資金繰り」と「審査のポイント」です。様式は埋めるだけ。差がつくのは中身の数字なので。
まずは創業計画を立てるところから始める
創業計画書を書く前に、紙の様式は一度閉じて、頭の中の事業構想を「将来・現状・課題」の3段階で書き出してください。
いきなり様式に書き込むと、ほぼ確実に途中で矛盾します。動機は熱いのに、数字が合わない。よくあるパターンです。
手順はこの3ステップ。①将来を構想する ②現状を整理する ③課題を抽出する。順番が大事です。
将来を構想する

将来の構想は「3年後の月商」と「そのときの自分の働き方」を具体的な数字と言葉で書くところから始めます。
例えば「3年後に月商300万円、スタッフ2名、自分は現場と経営を半々」。ここまで具体だと、逆算で初年度の目標が決まります。
うまくいかないときは、ゴールを大きくしすぎている場合が多い。月商1,000万円と書いて、根拠が一行も出てこないなら数字を下げましょう。
現状を整理する
現状整理では「自己資金」「これまでの職務経験」「すでにある取引先や見込み客」の3つを正直に棚卸しします。

特に自己資金は審査で必ず見られます。私の経験では、自己資金が薄い人ほど計画書全体の説得力を求められました。
通帳のコピーで説明できるお金だけを自己資金として数える。これがコツです。タンス預金や他人からの一時的な振込は、担当者にすぐ見抜かれます。
課題を抽出する
課題の抽出とは、「将来の構想」と「今の現状」の差を埋めるために、お金・人・スキルのどれが足りないかを言語化する作業です。
ここで出てきた「足りないお金」が、そのまま必要な資金の根拠になります。だから課題抽出を飛ばすと、必要資金の欄が薄くなる。
私が同行する前の打ち合わせで、いつも最後にこう聞きます。「この借入で何を解決しますか?」と。即答できれば、その計画書はもう半分通っています。
次は創業計画書の各項目を記入する

頭の整理が終わったら、公庫の6項目を上から順に埋めていきます。1項目=1動作で進めると詰まりません。
| 項目 | 書くこと | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 創業の動機 | なぜ今この事業をやるのか | 熱意だけで具体性がない |
| 経営者の略歴 | 事業に活きる職歴・実績 | 事業と無関係な経歴を羅列 |
| 取扱商品・サービス | 売る物と強み・価格 | 他社との違いが書けない |
| 取引先・取引関係 | 販売先・仕入先・回収条件 | 掛取引の回収サイトを書き忘れる |
| 必要な資金と調達方法 | 設備資金・運転資金と内訳 | 総額と調達額が一致しない |
| 事業の見通し | 売上・経費・利益の計算 | 売上の根拠が計算式でない |
この表の右端「つまずきやすい点」が、そのまま審査で突っ込まれるポイントです。逆に言えば、ここを先回りで潰せば強い計画書になります。
「創業の動機」
創業の動機は、「個人的な思い」と「市場の必要性」と「自分の経験」の3つを1本につなげて書くのが正解です。

ダメな例は「昔からの夢でした」だけ。これだと担当者は返済能力を判断できません。
良い例はこうです。「前職の飲食店で10年、店長として月商を1.5倍にした経験がある。地元には深夜営業の定食屋がなく、需要を感じている。だから独立する」。経験・市場・思いが一文の中で握手している。
私が手を入れるときは、必ず「数字を1つ動機に混ぜてください」とお願いします。経験を数字で語れる人は、それだけで信用されます。
書けたら声に出して読んでみてください。自分で読んで「本当に?」と思った数字は、担当者も必ず同じところで止まります。
