個人事業主が使える補助金・助成金一覧|キャリアアップ・業務改善も解説

- 個人事業主でも助成金・補助金の多くは申請できる。
- 助成金は要件を満たせば原則受給でき、補助金は審査で落ちることがある。
- 補助金・助成金は原則として後払いで、先に自己資金が必要になる。
- 従業員を雇っていない一人事業主は、使える制度が補助金中心に絞られる。
- 申請には期限があり、締切を過ぎると次回まで待つしかない。
補助金個人事業主の結論

個人事業主が使える制度は、大きく分けて「助成金」と「補助金」、そして「給付金・支援金」の3つです。
正直に言うと、従業員を雇っていない一人親方タイプの方は、助成金の多くが対象外になります。助成金の大半が雇用に関するものだからです。
逆に、設備投資や販路開拓を考えているなら補助金の出番。小規模事業者持続化補助金やIT導入補助金は、一人事業でも十分狙えます。
助成金・補助金・給付金・支援金について
4つの違いをざっくり言うと、「もらいやすさ」と「目的」が違います。

助成金は厚生労働省系で、雇用や労働環境の改善が目的。要件を満たせば基本的に受給できます。
補助金は経済産業省系で、事業の成長や設備投資が目的。予算と枠が決まっていて、審査で落ちることがあります。
| 種類 | 主な所管 | 目的 | 審査で落ちるか |
|---|---|---|---|
| 助成金 | 厚生労働省 | 雇用・労働環境の改善 | 原則落ちない(要件充足で受給) |
| 補助金 | 経済産業省・中小企業庁 | 設備投資・販路開拓・事業成長 | 落ちることがある |
| 給付金 | 国・自治体 | 生活・事業の下支え | 要件次第 |
| 支援金 | 自治体など | 災害・休業などの一時的支援 | 要件次第 |
私の感覚では、確実性を取るなら助成金、金額の大きさを取るなら補助金です。
助成金とは
助成金とは、雇用や労働環境の改善に取り組んだ事業者へ、国が費用の一部を支給する制度です。
財源は事業主が払っている雇用保険料。だから従業員を雇い、雇用保険に加入していることが前提になる制度が多いです。
要件を満たせば原則として受給できるのが助成金の強み。補助金のように『落とされる』心配が少ない点が、申請する側からすると安心材料です。
助成金の詳細や種類は、厚生労働省の事業主向けページで確認できます。
補助金とは

補助金とは、設備投資や販路開拓など、事業の成長につながる取り組みに対して経費の一部を支給する制度です。
助成金との一番の違いは、審査があること。予算と採択件数が決まっているので、申請しても通らないことがあります。
その代わり金額は大きい。数十万円から、ものによっては数百万円規模の補助が受けられます。
給付金・支援金とは
給付金・支援金とは、生活や事業の継続を下支えするために、国や自治体が支給するお金です。

助成金・補助金と違い、特定の投資や雇用の取り組みを前提としないものが多いのが特徴。災害や休業など、急な事情への対応として使われます。
後で触れる住居確保給付金や、自治体ごとの休業協力金がこれにあたります。募集は不定期で、状況によって出たり出なかったりするので、自治体の最新情報を見るのが確実です。
個人事業主が受給できる「助成金」 一覧
個人事業主が受給できる助成金は、ほぼすべて「従業員を雇っていること」が前提です。
つまり一人事業主だと使えるものは限られます。ここは正直、デメリットが大きい部分。従業員がいる前提で代表的なものを並べます。
| 助成金名 | 主な目的 | 従業員の有無 |
|---|---|---|
| キャリアアップ助成金 | 非正規から正社員への転換 | 必要 |
| 業務改善助成金 | 最低賃金引上げと設備投資 | 必要 |
| 人材開発支援助成金 | 従業員の教育訓練 | 必要 |
| 雇用調整助成金 | 休業時の雇用維持 | 必要 |
| 両立支援等助成金 | 育児・介護と仕事の両立 | 必要 |
| トライアル雇用助成金 | 就労困難者の試行雇用 | 必要 |
| 特定求職者雇用開発助成金 | 高齢者・障害者などの雇用 | 必要 |
| 地域雇用開発助成金 | 雇用機会の少ない地域での雇入れ | 必要 |
以下、相談でよく出る主要なものを個別に解説します。
キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、パートや契約社員を正社員に転換したときに支給される助成金です。
正社員化コースが代表的で、有期から正社員へ転換すると一定額が支給されます。
私が支援した飲食店の個人事業主は、長く働いてくれていたアルバイトを正社員にするタイミングでこれを使いました。もともと正社員化を予定していた人なら、要件を整えるだけで受給できるので相性がいい制度です。
業務改善助成金
業務改善助成金は、事業場内の最低賃金を引き上げ、あわせて設備投資をした場合に費用の一部が助成される制度です。

賃上げと設備投資をセットで行うのがポイント。たとえば厨房機器やレジを新しくして作業効率を上げ、その分従業員の時給を上げる、といった使い方になります。
賃上げを考えているなら、どうせ上げるなら設備投資とセットにして助成を取りに行く。これは私がよく勧める組み合わせです。
人材開発支援助成金
人材開発支援助成金は、従業員に職業訓練や研修を受けさせた事業者へ、訓練費用や訓練中の賃金の一部を助成する制度です。
資格取得やスキルアップの研修が対象になります。外部のセミナー費用や、訓練中に支払った給与の一部が戻ってくるイメージです。
ただし訓練計画の事前提出が必要で、書類のボリュームは正直多め。社労士に頼むケースが多い印象です。
雇用調整助成金

雇用調整助成金は、業績悪化で従業員を休ませざるを得ないとき、支払った休業手当の一部を国が肩代わりする制度です。
景気の影響で売上が落ちても、従業員を解雇せず雇用を守るために使います。コロナ禍で一気に知られるようになった制度です。
平時に使う場面は少ないですが、いざというときの備えとして名前だけは覚えておくと安心です。
両立支援等助成金
両立支援等助成金は、育児休業や介護休業を取りやすい職場づくりに取り組んだ事業者へ支給される助成金です。

従業員が育休を取得し、職場復帰したときなどに支給されるコースがあります。
小規模な事業所ほど『一人抜けると回らない』という現実があります。だからこそ、こうした制度を使って休業中の体制を整える意味は大きいと感じます。
よくある質問
相談の現場でよく聞かれる質問をまとめました。
